Welcome

ブログ

2026-02-14 22:29:00

非英語ネイティブ研究者はなぜ査読で不利なのか ― PatentRefineが「論理の揺れ」を可視化する ―

非英語ネイティブ研究者はなぜ査読で不利なのか

― PatentRefineが「論理の揺れ」を可視化する

国際学術誌の世界は、いまだに英語中心で動いています。

日本語やスペイン語を母語とする研究者が、
「内容は悪くないはずなのに通らない」
と感じる経験は少なくありません。

問題は単なる語学力ではありません。

論理の強度
主張の明確さ
研究ギャップの提示方法
断定の度合い

ここに文化差が存在します。


言語の問題ではなく「論理設計」の問題

日本語論文は、

・前提説明が長い
・断定を避ける
・主語が曖昧になりやすい
・示唆が控えめ

という傾向があります。

一方、英語圏の論文は、

・主張を先に出す
・貢献を明確に断定する
・研究ギャップを強く示す
・反論を先回りして処理する

という構造です。

つまり、

英語に翻訳しただけでは足りない。

「英語論文の論理様式」に再構築する必要があるのです。


ここでPatentRefineの思想が生きる

株式会社リコジェが開発するPatentRefineは、
単なる翻訳ツールではありません。

原文

英訳

逆翻訳

差分可視化

というプロセスを通じて、

意味の揺れを見せる装置です。

これは特許明細書だけでなく、
学術論文にも応用可能です。


論文版PatentRefineの流れ

Step1

日本語原稿を英訳

Step2

逆翻訳で意味のズレを確認

Step3

英語論文の査読基準で評価

例:

  • 主張は明確か?
  • 研究ギャップは冒頭で示されているか?
  • 不必要な hedgingmay / might)が多くないか?
  • 結論は断定的か?
  • 査読者はどこを弱いと感じるか?

Step4

修正版提示+理由の説明


重要なのは「翻訳を良くする」ことではない

本質は、

翻訳を疑うこと。

英訳された文章は、
往々にして弱くなります。

例えば:

This study may suggest that…

という表現。

日本語では自然でも、
英語圏査読者には

「自信がない研究」に見えることがあります。

PatentRefine的アプローチは、

断定度の揺れ
主語の消失
貢献の弱体化
論理接続の曖昧化

を可視化します。


生成AI時代だからこそ可能になったこと

最新の生成AIは、

・ネイティブ水準の英文生成
・論理構造の再構築
・査読者視点の模擬評価
・想定リジェクト理由の抽出

が可能です。

しかし重要なのは、

AIに正解を書かせることではない。

AIに「揺れ」を見せさせること。

判断は研究者自身が行う。

これは、
特許分野で培った思想と同じです。


期待できる効果

英語の自然さ向上
主張の強度最適化
査読コメントの事前予測
リジェクト理由の可視化
非ネイティブ研究者の心理的不利の軽減


ただし、魔法ではない

AIは、

研究の新規性を作れません。
データの弱さを隠せません。
方法論の欠陥を補えません。

改善できるのは、

表現と論理設計。

しかし、査読において
この部分が与える影響は決して小さくありません。


公平性のインフラへ

司法通訳が「意味の責任」を扱うように、
学術出版もまた「意味の精度」が問われる世界です。

言語差による不利を縮小することは、

単なる利便性ではなく、
研究の公平性の問題です。

PatentRefineは、

翻訳を良くする装置ではなく、
翻訳を検証する装置。

それは同時に、

論理の透明性を高める装置でもあります。