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AI時代の経済効果は「アプリ層」で生まれる ―― ダボスで語られた視点と、判断設計という次の競争軸 ――
AI時代の経済効果は「アプリ層」で生まれる
―― ダボスで語られた視点と、判断設計という次の競争軸 ――
2026年1月22日|株式会社リコジェ
2026年1月、スイス・ダボスで開催された世界経済フォーラム(WEF)において、
ジェンスン・フアン(NVIDIA 創業者兼CEO)は、
AIをめぐる本質的な視点を明確に示しました。
それは、
「最大の経済効果は、アプリケーション層で生まれる」
という断言です。
この発言は、GPUや基盤モデルといった技術競争の先に、
AIが実際に社会で“どう使われるか”という層こそが価値の源泉になる
ことを示唆しています。
AIは「5層のインフラ」である
フアン氏は、AIを次のような「5層のスタック(ケーキ)」として説明しました。
- エネルギー(電力・冷却)
- チップ・計算資源(GPU等)
- クラウド・データセンター
- AIモデル(基盤モデル・微調整)
- アプリケーション層(産業・業務への統合)
重要なのは、この構造が
技術の高度さではなく、経済価値が集積する場所を示している
という点です。
最上位のアプリケーション層とは、
単なるUIやサービスではなく、
業務・制度・責任・判断と結びついた実装の層を意味しています。
「仕事はタイピングではない」という示唆
フアン氏は対談の中で、
「CEOもプログラマーも、傍目にはタイピストに見える」
と語りました。
AIによって、
- コーディング
- 文書作成
- 記録業務
が自動化されても、仕事が消えない理由は明確です。
それらは“目的”ではなく、“作業”に過ぎないからです。
AIは作業を高速化しますが、
目的の設定や判断の責任までを肩代わりするわけではありません。
医療現場が示すAIの本質
放射線科医や看護師の事例は象徴的です。
AIによって
- 画像解析
- カルテ作成
- 記録業務
が効率化された結果、
医療従事者は「患者対応」「医師間連携」「判断」に
より多くの時間を割けるようになりました。
その結果、
- 医療機関の生産性が向上し
- 組織全体の価値が高まり
- 雇用は減るどころか増加している
ここで起きているのは、
AIによる仕事の代替ではなく、
判断の再配置
です。
アプリ層の“さらに上”にあるもの
この流れは、次の問いを私たちに突きつけます。
- AIを「どう使うか」ではなく
- 誰が、どこで、どの責任をもって判断するのか
AI時代の競争軸は、
技術 → 応用 → 判断設計
へと静かに移行しつつあります。
Amarios / PatentRefine の位置づけ
リコジェが提案する Amarios や PatentRefine は、
AIに判断を委ねる仕組みではありません。
- 判断を奪わない
- 誤解や揺れを可視化する
- 人間が判断する前提を整える
これは、
アプリケーション層のさらに上位にある
「判断設計インフラ」
という位置づけになります。
まとめ
AI時代に問われているのは、
「どれだけ賢いAIを使うか」ではなく、
どのように判断責任を設計するか
です。
ダボスで語られた
「アプリ層で最大の経済効果が生まれる」という言葉は、
その先にある 判断という人間固有の領域 の重要性を
静かに示しているように思えます。
リコジェは、
AI時代においても判断の責任を人間に残すための
静かなインフラを、これからも構想し続けます。