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ロングテール研究の第一歩
ロングテール研究の第一歩
―― 読まれなかった経済人の著作から始めるという宣言 ――
Amazonが提示した「ロングテール」という概念は、
売れ筋ではない無数の商品が、全体として巨大な価値を生むことを示しました。
私はこの考え方が、研究や知識の世界にもそのまま当てはまると考えています。
世の中には、
- 著作は残っている
- 著作権もすでに切れている
- しかし現代では、ほとんど読まれなくなった
経済人・思想家・実務家が数多く存在します。
彼らは「価値がなかった」のではありません。
ロングテール研究とは何か
本ブログでは、このような領域を扱う試みを
ロングテール研究と呼びます。
ロングテール研究とは、
- 有名かどうかを問わず
- 先行研究の多寡を問わず
- 評価や再解釈を目的とせず
ただ 一次テキストに残された「判断の痕跡」 を、
構造として取り出し、保存し、再利用可能にする研究です。
分析には、
私たちが アマリオス(108AI) と呼ぶ
判断分解のための分析体系を用います。
第一歩として選ぶ、四人の著作
ロングテール研究の第一歩として、
次の四人の日本人経済人の著作から分析を始めます。
- 田口卯吉(制度と思想の判断)
- 横井時敬(現場と持続の判断)
- 中村正直(倫理と行為の判断)
- 広瀬宰平(経営と実務の判断)
この選定は、
業績の大小や知名度によるものではありません。
それぞれの著作に、異なる型の「判断構造」が、
文章として明確に残されている
――ただそれだけが理由です。
評価しない、結論を出さない
本研究は、彼らを「再評価」しません。
正しかったか、間違っていたかも判断しません。
行うのはただ一つ。
どのような前提で、
どのような条件のもと、
どのように判断していたのかを、
構造として取り出すこと。
それは、AI時代において
「人間がどう判断してきたか」を
未来に手渡すための作業です。
ベストセラーではなく、思考の末端から
有名な思想や成功者の物語は、
すでに十分に語られています。
ロングテール研究は、
読まれなかった知、整理されなかった判断から始まります。
それが、
AI時代における知識保存の、
もっとも静かで、もっとも確実な方法だと考えています。
これが、ロングテール研究の第一歩です。
今後、本ブログでは、
この四人の著作を起点に、
アマリオスによる分析結果を順次公開していきます。